新年度がスタートしました!4月はお忙しい方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、再来週あたりから公認心理師国家試験の「受験の手引き」が発送されはじめます(請求手続きはまだお済でない方はお早めに!)。
ボチボチ勉強しなければいけなくなってきましたが…やる気が出ません( ノД`)
個人的には、連休明け頃から本格的に始められるといいかなぁと思っています…
というわけで、まずは事前準備!
今日は公認心理師国家試験対策:ブループリントの分析第4弾。
大項目9について分析し、試験対策を考えてみたいと思います。
この内容で分析といっていいのか?と思ってきましたが、参考にしていただければ幸いです。
完全に個人的主観に基づきます。
9「感情及び人格」
「感情及び人格」も出題割合は2%です。
問題が150~200問と仮定し、問題数にして3~4問。
「感情」と「人格」に関連する問題がそれぞれ1,2問くらいといたところでしょうか?!
中項目の一つ目<感情に関する理論と感情喚起の機序>は、個人的に結構大事だと思っています。今後、精神科だけでなく脳外科や神経内科、リハ領域などにおける心理の仕事が増えていくと思います(例えば、高次脳機能障害や認知症の患者さんへの対応など。)
高次脳機能障害の症状は損傷部位によって様々です。そのため、脳部位とそれに対応する機能についての知識は必要不可欠です。「感情」についても然り。
例えば、言語聴覚士の過去問には次のような問題があります。
情動障害をきたす病巣部位はどれか。
1.頭頂連合野
2.側頭連合野
3.扁桃体
4.小脳
5.脳幹
・・・正解は3
これくらいの問題は公認心理師試験でも出題されることが予想されます。
感情(情動)に関わる脳部位として、偏桃体、視床下部、島皮質、前頭前野腹内側部などがあるということくらいは覚えておいた方がよいのではないでしょうか。
うーん…あとは、“感情と動機づけ”、モチベーションに関する理論も個人的には優先して覚えた方が良いかなと考えています。
動機づけの問題は、保健医療の領域に限らずどの領域でも生じる重要なトピックだと思いますので。
中項目の二つ目<感情が行動に及ぼす影響>については、“感情認知”や“感情表出”あたりが障害の観点から問題が作れそうですね。
感情認知、感情表出が困難な障害、疾患にはどのようなものがあるか?
そういったところも確認しておいた方がよいかなと思います。
その他、感情(気分、情動)とは何か?といった基本的なことも要確認です。
ちなみに、平成28年度の精神保健福祉士国家試験問題では、次のような問題が出題されています。
気分に関する次の記述のうち,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 生起した原因は曖昧である。
2 はっきりした生理的な反応を伴う。
3 急激に生起し数秒間で消失する。
4 典型例は怒りである。
5 表情にはっきりと表れやすい。
・・・正解は1
中項目の三つ目<人格の概念及び形成過程>と四つ目<人格の類型、特性>については、類型論、特性論、5因子モデル、パーソナリティ障害、パーソナリティ検査、アセスメント測定は絶対に外せないキーワードかなぁと。心理的アセスメントのところでも勉強することになると思いますが、人格検査についてはココでも抑えておきたいところです。
ちなみに、精神保健福祉士の過去問題(7,8年分)を遡ってみてみると、「人格」に関連する問題は以下のようなものがありました。
次の記述のうち,フリードマン(Friedman, M.)とローゼンマン(Rosenman,R.H.)によって提唱されたタイプA行動パターンに関するものとして,最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 同時にいくつもの仕事を引き受けて,次々にやってくる締切りに追われる。
2 課題に取り組むときは, 1 つのことにじっくり時間をかけて行う。
3 他の人との競争を嫌い,競争のない場面で本来の力を発揮する。
4 他の人に親しみを感じやすく,柔和で協力的な対応をする。
5 成果を挙げたとしても,組織内での地位にはこだわらない。
・・・正解は1
パーソナリティに関する次の記述のうち, 特性論の説明として, 最も適切なものを1つ選びなさい。
1 エス・自我・超自我の区別と相互作用説は, 特性論の一つの証拠となっている。
2 体格や価値に基づく生活様式などの違いでカテゴリー化し, 特性をとらえる。
3 外向性・神経症傾向・誠実性・調和性・経験への開放性から成るビッグファイブ (5因子説) は特性論の一例である。
4 典型例が明示され, パーソナリティを直感的・全体的に把握するのに役立つ。
5 パーソナリティ全体をいくつかの層の積み重なった構造としてとらえる。
・・・正解は3
人格検査に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。
1 P-Fスタディは, 愛着に対する特徴的な反応様式や攻撃に対する傾向を知るのに役立つ。
2 TAT (主題統覚検査, 絵画統覚検査) は, 提示された絵を見て作った物語の内容から, 隠された欲求やコンプレックスの存在を明らかにする。
3 ロールシャッハテストは, 被検査者の視覚・運動ゲシュタルト機能を通して人格特徴の把握及び理解を目的とする。
4 東大式エゴグラム (TEG) は, 抑圧・不安・達成の三つの自我状態で構成され, 各自我状態のバランスから性格分析を行う。
5 内田クレペリン精神検査は, 積木構成課題結果の心的活動の調和・均衡の様態から, 種々の場面で適切な行動を示すことができるかどうかについて見立てる。
・・・正解は2
次の記述のうち,シュプランガー(Spranger,E.)の類型論に基づくものとして,適切なものを一つ選びなさい。
1 動作は緩慢だが対人態度は開放的かつ社交的で,情が深く親切であり,角の取れた自然な振る舞いや表情,動きを見せる人は,審美型とされる。
2 あけっぴろげで愛想がよく,陽気で親切であり,周りの人と上手に付き合い,争いがあってもその人との関係を断ち切ることをしない人は,外向型とされる。
3 犯罪とはおおよそ縁がなく,情緒安定,社会的適応,消極的,内向的で目立たず,おとなしい人は,鎮静型とされる。
4 社会活動に熱心で,他者や社会一般の福祉の増進に興味をもっており,他者を愛し,他者のために奉仕することに高い価値を置く人は,社会型とされる。
5 リラックスすることや安楽を好み,食べることを楽しみ,社交的で他者からの愛情を求める人は,権力型とされる。
・・・正解は4
簡単すぎず難しすぎない難易度かな?と思います。公認心理師も同程度の問題になるのではないでしょうか。精神保健福祉士の問題(少なくとも心理学理論と心理的支援)については目を通しておくことをおススメします。
コチラで問題を解くことが可能です↓
現任者講習会テキストでは、p.249~53「感情・人格」で取り上げられています。
公認心理師エッセンシャルズでは、P.18~19の見開き2ページです。
心理学検定のテキストでは、一問一答問題集[A領域]P168~187に簡潔にまとまっています。「感情・人格」の部分については、一問一答問題集で暗記することをおススメします!
【ポイント】基礎的なことに加え、感情の障害やパーソナリティ障害なども理解しておくこと。精神保健福祉士の国家試験で問われているような内容は必ず解けるようにしておくこと。