公認心理師 模擬問題 #002|ストレスチェックと結果の取扱い
出題分野|ブループリント「産業・組織に関する心理学」/ 関連:労働安全衛生法
想定解答時間|2分
問題
従業員80名の事業場に勤務する公認心理師B。ストレスチェックの実施後、従業員Cが高ストレス者と判定された。Cから医師による面接指導の申出はない。Cの上司Dが、「Cの結果を教えてほしい。内容によっては配置転換を考えたい」とBに申し出た。
Bの対応として、最も適切なものを1つ選べ。
1.Dに結果を伝え、配置転換の検討に協力する。
2.Cの同意が得られていないため、Dに結果を伝えることはできないと説明する。
3.面接指導を申し出るよう、業務命令としてCに指示することをDに助言する。
4.事業者の安全配慮義務を果たすため必要であるとして、Dに情報提供する。
5.産業医に結果を伝え、産業医からDに説明してもらう。
解答と解説を見る
正答:2
根拠|労働安全衛生法 第66条の10第2項
検査結果は実施者から労働者本人に直接通知され、本人の同意なしに事業者へ提供してはならないと定められています。ここでいう「事業者」には、人事・労務の担当者や指揮命令権を持つ上司が含まれます。
誤答の理由
1|Dに伝える
同意のない提供そのものが法令違反です。「上司だから」「支援目的だから」は例外事由になりません。
3|業務命令で申出させる
面接指導は本人の申出が起点です(同条第3項)。さらに、申出をしたことを理由とする不利益取扱いは禁止されています。業務命令化はこの制度設計を根本から壊します。
4|安全配慮義務を根拠にする
一見もっともらしく、選びやすい誤答です。安全配慮義務は同意原則を上書きする根拠にはなりません。同意が得られない場合は、集団分析に基づく職場環境改善という、個人を特定しない経路で対応します。
5|産業医を経由する
経由しても最終的な提供先はDであり、同意要件は消えません。迂回ルートを作る発想自体が誤りです。
ひとこと補足
- 実施者になれるのは、医師・保健師、および厚生労働大臣の定める研修を修了した歯科医師・看護師・精神保健福祉士・公認心理師
- 実施事務従事者に、人事権を持つ者は就けない(ここも出ます)
- 現行は50人以上で義務、50人未満は努力義務。なお2025年5月14日公布の改正労働安全衛生法で50人未満へも義務が拡大され、2026年5月に2028年4月1日施行の方針が示されました。第10回(2027年3月)の時点ではまだ未施行なので、本試験では現行どおり「50人未満=努力義務」で解答してください
- 覚え方:「本人に直接・事業者には同意・申出は本人から」
