公認心理師 模擬問題 #001|児童虐待の通告(事例)
出題分野|ブループリント「福祉に関する心理学」/ 関連:法律・制度
想定解答時間|2分
問題
小学4年生の男児A。担任教師が、Aの上腕部に複数のあざがあることに気づき、スクールカウンセラーBに相談した。Aは「階段から落ちた」と説明している。担任によれば、同様のあざをこの1か月で数回見かけているという。担任が母親に電話で尋ねたところ、「本人がそそっかしいだけです」との返答だった。Aは学校では落ち着いて過ごしており、欠席も少ない。
Bの対応として、最も適切なものを1つ選べ。
1.母親に来校を求め、Bが面接してあざの原因を確認する。
2.虐待によるものか確証を得たうえで、対応を検討する。
3.校長に報告し、学校として市町村又は児童相談所に通告する。
4.Aに対してあざの原因を繰り返し尋ね、本当のことを話すよう促す。
5.経過を観察し、次にあざを確認した時点で通告を検討する。
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正答:3
根拠|児童虐待の防止等に関する法律 第6条第1項
児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、市町村、都道府県の設置する福祉事務所若しくは児童相談所に通告しなければならない。
ポイントは「思われる」と「速やかに」の2語です。確証は要件ではありません。 また学校・教職員には第5条で早期発見の努力義務があり、第6条第3項により守秘義務は通告を妨げません。個人としてではなく「学校として」組織的に通告するため、校長への報告と同時進行が適切です。
誤答の理由
1|母親に面接して確認する
保護者への直接確認は通告の前提条件ではありません。むしろ通告前に保護者へ接触すると、警戒を招き、子どもへの口止めや転居・不登校化といったリスクを高めます。保護者対応は通告後、児童相談所等と方針を協議したうえで行うのが原則です。
2|確証を得てから
最も選びたくなる誤答です。しかし条文は「思われる」。確証を求めて動かない間に重篤化するケースが後を絶たず、この「確証不要」は繰り返し問われる頻出ポイントです。
4|Aに繰り返し尋ねる
誘導や記憶の汚染を招き、後の被害確認面接・司法面接の信用性を損ないます。事実確認は児童相談所や警察の役割であって、SCの役割ではありません。
5|経過観察
「速やかに」に反します。すでに反復性が確認されている時点で、先送りの理由になりません。
ひとこと補足
- 通告先は3つ:市町村 / 都道府県の設置する福祉事務所 / 児童相談所(選択肢で1つだけ外して出題されます)
- 通告の結果、虐待でなかったとしても、故意・過失がなければ責任は問われません
- 通告後は要保護児童対策地域協議会(要対協)で情報共有・支援方針の検討へ。ここまでが一連の流れ
- 覚え方:「思われる・速やかに・確証不要」 の3点セット
