現場で働いていると、「根拠になる資料を確認したい」という場面が定期的にやってきます。
支援の方針をチームに説明するとき。研修の資料を作るとき。学校で「これは法令ではどうなっているのか」と聞かれたとき。学生に「ちゃんとした情報源を見てね」と伝えるとき。
そのたびに検索し直して、似たようなページを開いて、結局どれが最新版かわからなくなる。そんな時間を減らすために、公的機関や学会が公開している資料を、リンク付きで一覧にまとめました。
今回は、従事者の多い保健医療と教育の2分野です。福祉・司法犯罪・産業労働については、続編でまとめます。
使うときのコツ
図:資料の種類と、どこを見に行けばよいか
リストの前に、実務で使うときの注意を3つだけ。
1. できるだけ一次情報にあたる
まとめ記事(この記事も含めて)は入口にすぎません。実際に引用したり、会議で根拠として示したりするときは、必ず発出元のページやPDFを開いてください。
2. 改訂されていないか確認する
ガイドラインや手引きは改訂されます。特に学校関係の通知や指針は動きが速く、数年で内容が変わります。ファイル名や表紙に入っている年月を必ず確認してください。
3. 版と日付をメモしておく
記録や報告書で引用するときは、「◯◯(令和◯年◯月版)」のように版を書いておくと、あとから見直すときに困りません。
分野を問わず押さえておきたいもの
保健医療の分野
認知行動療法
2026年度の診療報酬改定で、「認知療法・認知行動療法」の実施者に公認心理師が加えられました。算定には所定の研修の受講が必要ですが、まずこのあたりから押さえておくと話が早くなります。
うつ病・双極症
トラウマ・PTSD
自殺予防
周産期
がん医療
| 資料 |
出しているところ |
ひとこと |
| 診療ガイドライン一覧 |
日本サイコオンコロジー学会 |
せん妄、コミュニケーションなど。一部はウェブで全文公開 |
摂食障害
依存症
災害・惨事のあと
教育の分野
まずはこの1冊
| 資料 |
出しているところ |
ひとこと |
| 生徒指導提要(改訂版) |
文部科学省(令和4年12月) |
学校で働くなら必読。いじめ、不登校、自殺、虐待などが章立てで整理されています |
学校現場で「学校はどういう考え方で動いているのか」を知るのに、いちばん役に立つ資料です。スクールカウンセラーの位置づけや、チーム学校の考え方もここに書かれています。
いじめ
不登校
自殺予防
虐待
特別支援・発達
性暴力の予防
スクールカウンセラーの制度
最新版を見失わないために
改訂に気づくのは意外と難しいものです。次のようにしておくと、取りこぼしが減ります。
| やり方 |
具体的に |
| PDFではなく「まとめページ」をブックマークする |
生徒指導提要や自殺予防のように、省庁のまとめページには改訂版が差し替えられます |
| 通知のページを定期的に見る |
文部科学省の生徒指導関連は、通知が随時追加されます |
| 学会の会員ページを確認する |
ガイドラインの改訂は学会からの案内が最も早いことが多いです |
| 研修で配られた資料の出典を確認する |
研修資料は要約なので、必ず元の資料にあたる習慣をつけると安心です |
まとめ
- 現場で根拠を示す場面は定期的に来る。あらかじめ一覧にしておくと早い。
- 医療なら、認知行動療法、うつ病、トラウマ、自殺予防、周産期、がん、摂食障害、依存症、災害。
- 教育なら、まず生徒指導提要。そのうえでいじめ、不登校、自殺予防、虐待、特別支援。
- 引用するときは、版と年月を必ず控える。
次回は、福祉・司法犯罪・産業労働の3分野をまとめます。
(リンクは2026年9月時点で公開を確認したものです。改訂や移設により、リンク先が変わることがあります)
ABOUT ME
大学教員/公認心理師/臨床心理士/生成AIパスポート/ペンギン本シリーズ(翔泳社)執筆者のひとり。著書に『こころの道具箱 臨床心理学エッセンス203』(KADOKAWA)など。
2017年に、公認心理師を目指す人のための情報サイト「公認心理師ドットコム」を開設しました。これまでは試験対策を中心に発信してきましたが、リニューアルを機に、「心理学をゆるく知る。公認心理師をちゃんと知る。」をテーマにサイトを一新。
心理学用語や心理学者をキャラクターや物語で楽しく紹介する図鑑のほか、公認心理師を目指すための学び、資格取得後の仕事や働き方についての情報をお届けしています。