日本初の心理職国家資格!公認心理師とは?

公認心理師とは




ついに、心理職も国家資格になります!その名も公認心理師!ダサいかどうかはさておき、概要を説明します。

公認心理師とは?

公認心理師とは、公認心理師登録簿への登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいいます。

(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析
(2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助
(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助
(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供

出典:厚生労働省ホームページ

公認心理師になるには?

公認心理師になるには、公認心理師国家試験の受験資格を得て(STEP1)、試験を受験し(STEP2)、試験に合格しなければなりません(STEP3)。

STEP1 受験資格を得る

受験資格を得るには3つの方法があります。

A.大学の心理系学部4年+大学院2年のメインルート

「公認心理師法」第7条では、

一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学(短期大学を除く。以下同じ。)において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めて卒業し、かつ、同法に基づく大学院において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めてその課程を修了した者その他その者に準ずるものとして文部科学省令・厚生労働省令で定める者

と明記されています。

必要な科目とはどういったものでしょうか?

→公認心理師の受験資格を得るために大学において学ぶ必要がある科目とは(心理研修センターホームページQ & Aより)

公認心理師法施行規則(平成29年文部科学省・厚生労働省令第3号。以下「規則」といいます。)第1条に定められています。
具体的な科目は以下のとおりです。
公認心理師 学部

→大学院において学ぶ必要がある科目とは(心理研修センターホームページQ & Aより)

規則第2条に定められています。
具体的な科目は以下のとおりです。
公認心理師 院

B.大学の心理系学部4年+実務経験2年の学部卒ルート

「公認心理師法」第7条では、

二 学校教育法に基づく大学において心理学その他の公認心理師となるために必要な科目として文部科学省令・厚生労働省令で定めるものを修めて卒業した者その他その者に準ずるものとして文部科学省令・厚生労働省令で定める者であって、文部科学省令・厚生労働省令で定める施設において文部科学省令・厚生労働省令で定める期間以上第二条第一号から第三号までに掲げる行為の業務に従事したもの

と明記されています。

実務経験が積める施設にはどんなところがあるのでしょうか?(※)

→大学卒業後に実務経験を積むことで公認心理師試験の受験資格を得ることができるとされている施設とは(心理研修センターホームページQ & Aより)

規則第5条に定められています。
具体的には以下の施設のうち、文部科学大臣及び厚生労働大臣によって認定された施設となります。
公認心理師 実務経験

(※)しかし、現時点では、どれくらいの施設が養成プログラムを作り、指定の機関として認定されるか全く分かりません。

C.その他のルート

「公認心理師法」第7条では、

三 文部科学大臣及び厚生労働大臣が前二号に掲げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認定した者

と明記されています。

このルートは、公認心理師のカリキュラム要件を満たした専門学校等を経由し実務経験を積んでいくケースや海外の大学で心理学を学ぶというケースなどが想定されています。

既に”公認心理師コース”と名乗りをあげている専門学校もでてきています。

STEP2 試験を受ける

受験資格を得られたら公認心理師国家試験を受験することができます。
試験は、毎年1回以上、 文部科学大臣及び厚生労働大臣が行うものとされています。

・第1回公認心理師試験の実施時期

法の施行時期、いわゆる現任者の受験特例の期間を考慮して、平成30年9月頃を念頭に準備が進められているようです。

・出題範囲

「出題範囲として詳細な科目は定めず、「公認心理師として具有すべき知識及び技能」について出題する。医師国家試験の出題基準(※1)及びブループリント(※2)に相当するものを作成し、出題に際して準拠する基準とする。」とされています。

※1 出題基準…国家試験の範囲を項目によって整理したもの。
※2 ブループリント…出題基準の各項目(大項目)の出題割合概数を示したもの。

いずれも確定したら公表されるようですが、11/13現在では不明です。

・試験の実施方法

「全問マークシート方式とし、1日間で実施可能な範囲(実施時間として合計300分程度を上限)で150~200 問程度を出題する。また、試験問題のうち、ケース問題を可能な限り多く出題する。なお、試験の実施時間は、1問当たり1分(ケース問題については同3分)を目安とする。公認心理師としての基本的姿勢を含めた基本的能力を主題とする問題と、それ以外の問題を設ける。」とされています。

ただ、事例問題を多く出題するとは言われていますが、それには色々と問題もあるようです。
2017年に行われた日本心理学会のシンポジウムにて丹野先生は以下のようにおっしゃられていました。

医師の事例問題なら正解が決められる。
しかし、心理師の事例問題は、正解がひとつに定まらない。
これまでの臨床心理士資格試験の事例問題をみても、誰もが納得できる事例問題を作るのは困難。結局は国語力で解ける問題となり、技能の試験ではなくなる。

出典:日本心理学会第81回大会公開シンポジウム「公認心理師法施行にあたって-社会に貢献する心理職を目指して-“公認心理師で今後望まれること”丹野 義彦先生(2017年9月22日)

確かに、事例問題の場合はその人のオリエンテーションにも左右されるため、答えが一つではない事が多いと思われます。
このことを考えると、事例問題といっても基礎的なものが多くなることが予想されます。

・受験料

公認心理師法施行令(平成29年政令第243号)第2条~第4条に定められており、受験料は28,700円になります。

STEP3 試験に合格する

・合格基準

「全体の正答率は60%程度以上を基準とする。基本的能力を主題とする問題の正答率は、試験の実施状況を踏まえ、将来的に基準となる正答率を定める。」とされています。

<参考>
公認心理師と同様に途中で国家資格化された他の資格(言語聴覚士、精神保健福祉士)を参考にすると、初年度は非常に高い合格率となっています。
言語聴覚士国家試験 合格率の推移
公認心理師 ST参考
精神保健福祉士国家試験 合格率の推移
公認心理師 参考 PSW合格率

出典:厚生労働省ホームページ

初年度に受験するかどうか迷っている現任者も多いことと思いますが、合格率だけをみると初年度に受けた方がよいでしょう。

・登録手数料

合格したら公認心理師登録簿への登録が行われます。登録手数料は7,200円です。